藤皮はしなやかでよく曲がるので、多くの場合折り曲げる角度の大きい編み方(らせん編みなど)がよく使われ、できあがったものも繊細で、帽子や置き物などの器物などになります。この藤かごはいぶされた痕跡があり、円形、鼓腹、直立式口縁ふた付き、丸足で、取っ手もあるはずですが取れてしまったと思われます。その制作方法は、細い藤ひごをらせん状に巻き上げ大体の形を作り、その後、別の細い藤ひごでらせん状にからめていきます(いわゆるらせん編み)。口縁は「8」の字型に編んで飾られています。ふたは縁の内部に合った大きさで、編み方も本体と同じ、美しい仕上がりです。